ユーガなるショウガイ児の母となるには(つづき)

 結局はいま目の前にいる彼のその笑顔に賭けるしかない。 あとになって誰もが後悔しないように。 いまのひとときを大切にして。 ひとに愛される喜びだけはおぼえてほしい。 そうやっていっしょにやっていくしかないのだなぁと。
  黄色い帽子と、もう既に傷だらけのランドセルを背負って帰る彼の後ろ姿を追いかけながら、通学路の道すがら自分自身に言い聞かせる。

 

 思えば私自身、変わり身はやく常になにかを追い求めて、自分探し、自分磨きの生活にあこがれていたところがあった。ここ数年の生活はいままでのそういった日常からいえば非日常的で、違う角度でそういったことが見られるようになった。ひかえめにあたりまえのことをやり、自分自身を失わず静かにそして力づよく、毎日をやり過ごしていく大切さ、といったところが。

 

 神様のちいさなつじつまあわせでひょっこり、私はいまひとつの渦中にいる。学生時代、ユーガのような子どもたち相手に仕事をしたいと思っていた私が、いまは日常すべて訓練のような(おーげさかね、でもほんとそーだもん)コドモの親として、反対側の淵に立たされている。
  思わぬところで夢は実現したのだから、ユーガの世界につきあっていくことで、そこでのひとつの夢を静かにまっとうしたいと思っている。


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