サンタクロースは知らない(つづき)

 私自身も家族もクリスチャンではないのだが、幼稚園時代の知りあいにはそういうひとがまわりにたくさんいたので、自然にその教えたるものが心のなかにはいりこんでいるところがある。
 あたえられた一日に感謝の心をもち、ちいさな喜びをゆたかなものへと変えていくのは自分自身の心のありようだと。自分だけにとどまらない他への愛情があふれることが子育てのみなもとであるとか、私自身もユーガといっしょに幼稚園に通いながら、母親としての心がまえをここで学んだような気がする。御聖堂のなかで、ほかのおかーさんたちと讃美歌をいくつも歌いつないでいると心がなごみ、気持ちが落ちついた。
 「ユーガをクリスチャンにしておくと、私たち親がいっしょにいてやれなくなっても、神さまやシスターたちがみまもってくださるかなぁ」と思ったことも何度となくあった。心強きものも弱きものも、生きつづけていくことはほんとうに大変なことだものね。

 

 宴会ずき?のわが家ではあるが、イブの夜だけは家に帰ってからも特別なことはなにもしない。テレビを消して、キャンドルとツリーのあかりだけでの静かな夜をしばしすごす。シスターたちのあまーいビスケットをかじりながら、あちこちからいただいたプレゼントとともに写真をとってもらって満足げにほほえみをうかべるユーガ。ほのかな光のなかで写された毎年のスナップをみくらべていると、この日だけは天使にみえないこともないか、 と思う。

 

 「ユーくんは、今年はサンタさんになにをお願いした?やっぱり絵本?」と、先日の子ども会でのクリスマス会でゲームをしながらコドモたちが聞いてくる。そうねぇ、今年も絵本かな。絵本読むの(みるの)すきだからネ。
 毎年悩むのがそこのところで、ユーガはサンタクロースの存在そのものを知らない。いや、クリスマスどころか自分の誕生日だってわかってないはずだ。(そんな彼に「その日」をわからせるべく、わが家では毎年イチゴののった円形のデコレーションケーキはバースデーに、チョコレートのブッシュ・ド・ノエルはクリスマスときめて、お祝いの日としている。ケーキで知る記念日である)
 「パパがサンタクロースになってプレゼント渡してあげたら?そしたらよくわかるんじゃない?」そうね、みんなみたいに心待ちしてくれるとサンタさんも(パパも私も)プレゼントするにも熱がこもるはずなんだけどね。イブの夜は、サンタクロースのでてくる絵本でも読みながら、サンタさんの到着をユーガといっしょに待ちましょうか。クリスマスケーキもひさしぶりに今年はママの手づくりで。

 

 年のおわりに。一年間読んでくださり、おつきあいくださったみなさま、ありがとうございます。メリー・クリスマス!そしてよいお年を。


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