異性人コミュニケーション(つづき)

 「男の子を育てていると、母親もいつしかオトコみたいになってくるわよ」
 仕事でおつきあいしている小4双子の男の子の母によると、立ち振る舞い、ことばづかいにとどまらず、「食生活もよ。ハンバーグだっていまは手のひらサイズを私もつくるし、おやつのアイスクリームだってカップサイズなんか買わないの」ということだ。ふだんはとても「シックでエレガンス」的な同業者のお方なだけに、それはそれでとても魅力的な一面を聞いたようだったけれど。
 いわれてみれば、わが家でも以前はユーガの朝食なんてトースト焼いてヨーグルトとイチゴ、なんてものを食べたか食べないくらいだったけれど、最近はとてもとてもお昼までもたなくて(4時間目の授業が空腹で受けられないそーです。とシーナ先生がいっていた)まるで温泉旅館のような品数、ボリュームともばっちりの和定食?に変わった。
 コドモは姉妹ふたりだけのお宅で夕食をいただいたときがあったけれど、小さな器がほんの数品、かわいくならべられていただけであったね。インフルエンザで倒れた友人に、トン汁を鍋いっぱいにつくって玄関先へ届けておいたのだが、4日間ほど食べきるまであったそうだ。彼女の娘もひとりっこだった。考えてみれば病気のママと女の子ひとりが食べる量なんてたかが知れてますわね。
 うーん、私が太る理由もここにもあったわけだ。 しかし、そのぶん運動量は多いと思うんだけど。イタズラがすぎたときに走っていって、首根っこをつかまえたり、ときにはまわし蹴りで(ギャクタイ、ではありませぬ)その行く手をさえぎったり。そーゆーオトコっぽい所作が、今度はオバサン化に徐々に移行していくのだろーね。そっちのほうが私ゃこわいのぉ。(もー、そーだったりして)

 

 このごろ、ユーガには週1、2回のペースでいっしょになってあそんで面倒をみてくれるおにいさんができた。家の前の公園でサッカーや鉄棒や自転車のりを教わったりしながら、学校帰りにすごす。勉強じゃなくて、いわば運動やあそびの家庭教師兼ベビー?シッターとしてきてもらっている。
 最初は私に仕事がはいったときに、ユーガのことをみてくれる人探しからはじまったことだった(ご近所のなかよしのお宅におねがいするのも限度もあるしね)。学校や通っている訓練先の先生方からの後押しもあって(「ひとりっこのユーガにはそういう存在って必要よ」)、どうせならユーガにとってためになる方向へ、ということになった。
 相手のハイバラさんは25歳、言語訓練の教育実習でユーガを担当してくださった学生さんで、将来は児童福祉関係の仕事につきたいので勉強のためにもやらせてください、と申しでてくれた。ユーガの特質もわかってかわいがってもいてくれるので、いまのところおまかせしている。
 この間、こっそり窓からみていたら、ふたりで追いかけっこばかりしていたけどね。うーん、お互い(ハイバラくんとユーガね)がお互いのために役立つ日がはやくくるといいけれど。
  「たいへんでしょ、なにかできることがあったらいってね」と労力のわりには少ないかもしれないバイト代を彼にわたすとき、つい私もことばがでる。よくみていると、ふたりだけの連帯感みたいなものがすでにできつつあるようだけどね。ふーん、なるほどね。

 

 オトコであるってことを意識して育てていくことが、これから増えていくんだろうなぁ、と思う。こんなチビでこれだからね。思春期になってますます謎めく存在になってきたら、その混乱はどこまでいくのだろーとちょっと不安だ。そして私は、日々オンナの意識を薄皮のように剥ぎとられていっているとしたら?


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