<シリーズ>
天使、なんて呼べない。
第17回
闇にきこえるメロディ
柊野ポネ
実はアタクシ、今「病み上がり」なのです。一週間ほど入院生活をおくり、数日前に退院し自宅にもどってきたばかり。大したことじゃないんだけど、前から懸念のトコをちょっと手術する、なんてこともありまして。自分の中ではさらっとすませてしまおうと思ってたのに、一週間も主婦と母が家を留守にするわけで、やっぱり大したことになってしまった。
留守中、諸々の問題のなかでいちばんの課題はやっぱりユーガのことで、昼間はとりあえず学校に放りこんでおくとしても(先生たち、こんな表現でごめんなさいよ)、登下校は誰かがつきそわなくてはならない。お稽古ごとはお休みするにしても(「連れていってもいいよ」なんていってくれたママもいたのだけど)、やっぱりヤツのおもりはバーバ(家事にきてくれる私の母)だけじゃキツクないかい?ということを、周辺のママたちが察してくれたようで、作ってもらった下校後の予定表にしたがい、ユーガはオトモダチの家でかわるがわるすごさせてもらった。
ひとりで本をみておとなしくすごしてくれればいいが、果たしてそんなことはあろうはずもない。大人たちの目を盗んでベッドでトランポリン遊びか、勝手知ったるキッチンからとってきたタマネギをかじっているか、どちらにしろ学校へのお迎えにはじまり、おやつから夕飯、はてはお風呂まで。ユーガを幼いころから知っているオウチばかりといっても、あー、ホント大変だったと思うよ。私の知らないところでさりげなくいちばんの面倒ごとを引き受けてくれたまわりの友人たち、退院後も何かと気づかってくれるクラスのママたちには、いつもながらいくら感謝してもしきれぬ。
入院前日、ゴスペルのコンサートがあった。美容院で髪を整えてもらい、ラメのはいった爪をつけ、顔の隅々までメイクをして舞台に出ていた。それが翌日。髪をゴムでしばり、スッピンのパジャマ姿で病院のベッドに寝ている私がいた。こーゆーときの私はどこかで自分の置かれている状況を劇的に楽しむクセがある。昔から。