<シリーズ>
天使、なんて呼べない。
第19回
さくらの季節がまた過ぎて
柊野ポネ
しかし、ふと振りかえればこの地を住居と定めて10年目に突入である。海穏やかなれど波時々高し、の短くもない年月は、人生の楽と苦がぎゅっと凝縮した日々であった。突然自分に家族ができて、なんの準備もなく完成の間取りもみないで住みはじめた家だった。日ごろはけっこう思慮深く!生きているつもりなのだが、成人式、結婚式、自分に関しての人生のイベントはすべて投げうってきた私は、こーゆーとき、かくも大雑把になってしまうのが常である。
夫も私もひとり暮らしを長くやってきたからそれぞれの部屋があったら、リビングがお風呂がもっと広かったらねぇ、と思いめぐらすこともある。ま、でもこのあたりが私たちのささやかな贅沢のないネグラなんじゃない?と、四季の花や緑も楽しめる静かな周囲の風景とともに、このちいさな空間をとりあえずは愛しんでいる。
記念日に無頓着な私は、結婚10年のメモリアルにも特に計画すべきこともなし。(そういえばハネムーンにも行ってないんだった!)カッコよくいえば、毎日が記念日だよね、コドモなんかいると特に。へへ。それにそーよ、そんなことでくくれるほど安易でもないわ。
だいだいがひとところに長く居座るより、環境が変わることが楽しめる方だった。それがユーガみたく行動が激しく、何クセもあるコドモをもつと、どこかに住いをうつすことは身軽にできなくなった。集合住宅は特にね。通学の範囲もあるし、学区が変わるとなかなかおおごとになってしまう。ショーガイ児は環境に慣れるのにも、まわりのヒトに理解してもらうのにも、やっぱり時間がかかるからねぇ。ちょっと二の足をふむ。
でもさまざまな事情がからんでくると、卒業までの6年間で「変更」を考えなくちゃいけないときもある。学区の障害児クラスからよその学校の障害児クラスへ、はたまた障害児クラスから養護学校へ、ユーガのまわりにもショーガイをもって通常学級に通っているコは多いけど、高学年になると二つのクラスを行き来しながらすごすコもいる。ボーダーレスのコもふえている昨今ではあるので、この辺はなかなか複雑だ。
障害児学級の場合、毎年担任が変わるわけじゃないから、先生とコドモ、先生と親!との相性も重要だし、いずれにしてもちょっと大事なひとつの決断のとき。
「離婚して新しい生活をはじめるようなもんよ、希望をこめて」といっていたママがいたが、そうかもしれない。リコンしたことないからわかんないけど。